中高年サラリーマンはどのようにリストラに備えるとよいか考えてみました。
会社は、業績不振になると、あるいは経営効率の向上のために、また、会社存続のために、リストラ(リストラクチャリング、経営資源の再構築)が行なわれるのはよくあることです。
リストラは何が合理的なのでしょうか。老朽化した設備を廃却し生産性の高い新しい設備に交換する、採算性の悪い事業から採算性の良い事業に経営資源をシフトする、などで企業の収益は改善するでしょう。
さらに、収益改善のために年功賃金的な要素の強い日本の企業の場合は、年齢の高い従業員で、生産性の高くない人から会社を去ってもらおうと企業は考えるでしょう。 つまり、経営幹部になる一部の人を除けば、早晩、みんなリストラの対象になるわけです。少子化もあり雇用延長も進んでおり、年功序列も崩壊しつつありますが、やはり高齢者がリストラ対象になる傾向はまだまだあります。
若いときに、安い賃金で働き、年を取ってから、その分の貯金を払ってもらうのが年功賃金の建前ですが、定年近くになり、いざ歳をとってみると、知力・体力・気力も衰え、会社と賃金交渉する力もあまり残っていなく、不服があっても直談判やはたまた裁判までする元気は中々わかないですね。また、管理職になって人は、労働組合から抜けていて団体交渉権も期待できないでしょう。
もし、その年齢であったら、どうすればよいでしょうか?
私は59歳で、早期退職しました。雇用延長も考えれば65歳まで、同じ会社に残ることは可能ですが、様々な事情のもとに、会社に残って働き続けるのは不利なことも多いと考え退職を決断しました。
まずは、会社の現在の経営状況や経営方針をなるべく把握しておくべきでしょう。意外と公開情報や公報に出ています。そして、自分が携わっている仕事が会社や社会でどういう位置付けなのか把握しましょう。これは社内で接する雰囲気でもわかります。
そして、自己防衛です。会社に早期退職制度があるか調べましょう。50代後半だと、定年や定年延長で働くより、早期退職による退職金の割り増しなどを得た方が有利なタイミングがありえます。意外に50代後半に分岐点がある場合があります。
次は、再就職活動です。60歳を過ぎると、公的支援の内容が薄くなっていきます。現在だと45歳から59歳を働く年齢として厚く支援してくれる場合が多いです。雇用保険の基本手当(失業保険)もそうです。求人票の中身も実際は60歳以上と60歳未満で大きくわかれている場合が多いです。在職中からハローワークに見学に行ってみてもよいと思います。
これも再就職関連ですが、転職エージェントを使う場合のコストも考えましょう。前職会社が費用負担してくれる場合があります。どのような条件を満たせば前職会社が、就職エージェントの費用を負担するか調べるとよいでしょう。競業他社に何年か行かないなどの条件を飲めば会社がお金を払ってくれる場合があると思います。一方、同じくエージェントを使う場合でも転職先会社が費用負担するタイプのエージェントだと、比較的高収入の案件は紹介してもらいやすいですが、自分はゆとりを大切にしたいとか、あまり忙しい就職を望まなく比較的低収入でも構わない場合は、エージェントは不得意な場合もあるでしょう。
最後に、個人の生き方の確認です。現在の会社へのお勤めが何より好きな方は、もちろん会社に勤め続けることを考えましょう。そうではなく、事情のある人は、置かれた環境を冷静に分析しましょう。ローンがある、養育がある、介護がある、自身に病気があるなど、様々な事情があるでしょう。やりたいことや夢があるなど、そんな人は夢を追い求めるのも大切にしたいですね。人生は一度だけですし、未来はわからないですから。
私はリスキリングに挑戦を考えました。家庭的に不利なことは沢山ありますが、会社を辞めて、少し頑張ろうと考えました。ある程度の生活が維持できれば、贅沢はせずに、新しい仕事に挑戦し、60代後半以降も働きたいと思いました。そして、今ならキャリアチェンジも間に合うと考えました。そして、希望する職種で、体が続く限り働きたいと思う人は多いのではないでしょうか?
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